20年6月にテンリュウから発売されたシーバスロッド、20スワット SW932S-LMLのインプレを行います。
21年1月現在、残念ながら私の腕前がヘボすぎる為にシーバスの釣果を得られておりません。
単に下手すぎるが故ですが、外道であるタチウオやサゴシ、アジ等のその他の外道を数多く釣り上げ、また、使用感等もかなり分かってきたので、インプレを記述させていただきます。
(※インプレに関しては、随時更新をさせて頂く予定です)
私自身、高価格帯モデルのロッドは初めてであり、比較対象は10年前の旧アーリー95MLRFになりますので、基本的に絶賛する項目が多くあります。
ダイワやシマノ等の、もっと高額なハイエンドロッドを触った事も無い未熟者ですので、その辺はご容赦ください。
主に、私のような2万円台ロッドからのステップアップを目指している方向けの記事だと思っていただければ幸いです。
スペック
名称 | テンリュウ 20スワット |
---|---|
モデル | SW932S-LML |
全長 | 9.3ft(2.82m) |
継数 | 2本 |
テーパー | レギュラーファースト |
仕舞 | 1.44m |
自重 | 140g |
先径 | 1.5mm |
ルアー適正 | MAX35g |
ライン(PE) | MAX1.2号 |
カーボン含有率 | 96% |
価格(税抜) | \51,000 |
使用範囲
私は主に、遠浅サーフ・小堤防・河口を、ナイト~朝マズメに使用しております。
基本的に暗い時間帯が多く、それほど遠投の必要性が無く、ホームフィールドには根もないので、柔らかめのこちらのロッドを選択する事になりました。
検討している当初、972MLとで悩んでおり、その旨をテンリュウ社へ直接相談してみたところ、『遠投が必要ないという事で、あなた様には932LMLがベストかもしれません』と、大変丁寧な回答を頂いた事で、こちらのロッドに決めました。
その回答にあるとおり、『遠投性の有無』で932LMLにするか972MLにするか、決めるべきだという事でした。
インプレッション
下記、使用してみた感想や思った事などを、主観で記述していきたいと思います。
ベストマッチのルアーは、『11センチ以下のプラグ』と判断!!
LMLの表記通り、このロッドはLクラスのロッドです。
ルアー適正を見ると、一見MLクラスっぽく見えてしまいますが、間違いなくLクラスです。
ここを間違えると、もしかしたらロッド選びを失敗するかもしれませんので、念を押します。
このロッドはLクラスです。
買い替え前の旧アーリーのルアー適正が~28gだったので、初めてこのロッドを触った時は、私も少し戸惑いました。
想像以上に柔らかいんです。(Lクラスなら当然です)
しかし、柔らかさの中にちゃんとした張りのようなものが通っていて、『ハイエンドのロッドの違いはこう言う事か!』という事を実感しました。
恐らくですが、ロッドの収束が速く、少し背負うような投げ方をしても『シュッ』っと収まってくれるので、キャストフィーリングがとても気持ちいいのです。
未だに忘れられない感覚があるのですが、スタスイ100Sを投げた時、最高に気持ちの良いキャスティングが出来ました。
しかも、飛距離は私自身が味わったことのないくらいぶっ飛んでくて、この15g前後がベスト適正なのではないかと感じていました。
しかし、ぶっ飛び君95Sでも、ペンデュラム気味のキャストをすればかなりの振り抜きの良さをしてくれる半面、18gの12センチクラスのミノーでは、少し空気抵抗に負けて反発力を生かしきれない場面が見られました。
勿論、鉄板バイブを含め15g前後の小型ルアーであれば文句無しの気持ちいい感覚を味わえるので、これが適正であるのは間違いないのですが、少し重めでも空気抵抗が少ないルアーであれば、それと相応の気持ちの良い感覚が味わえます。
とは言え、14センチ以上のミノーが投げられないのかというとそういうわけでもなく、その懐の深さは特筆するものがあると感じています。
事実、私はレスポンダー129f(19g)を主軸にしていますが、何の問題も無く普通に投げていますし、かっ飛び棒(シャローライト)だってペニーサック(32g)だって、ちゃんと投げることが出来ます。
あくまでも『気持ち良さ』のレベルの話ですが、その辺が気になる方は、前述のとおり972MLを選ぶのが無難かもしれません。
ちなみに、下限はHP上では未記載ですが、5gのワームなら問題なく使えています。
流石はLクラスだけあり、水中の流れの変化等の情報をキャッチする能力は抜群です。
流れに入ると瞬時にティップが入り、ルアーの動きが激しくなる様子が手に取るようにわかります。
また、魚が追いかけて来ているような感覚も『変な違和感』として伝えてくれ、変化に対する感度はかなり高いのではないでしょうか。
魚からのショートバイトやゴミに触るとか、そういうタッチ系の感度に関しては、中弾性ロッドという事で、ビンビンの高弾性高感度ロッドには流石に劣るとは思いますが、必要十分なだけの感度はあるはずです。
この犠牲は、後述する魚とのやり取りで生きてきているんだと思います。
※シーバスはまだバトルしていません。ショートバイトを3回感じただけです…
記憶にある限り、サゴシは20匹以上、タチウオは10匹以上、アジは5匹程度釣り上げましたが、ただの一度もバレた記憶がありません。
サゴシに関しては、サブロッドであるラテオ96Mで釣り比べたので間違いないのですが、圧倒的に弾かないしバレません。(まあ比較はMなのでね…)
ティップからベリーにかけて綺麗に曲がってくれるので、魚と無駄な戦いをしない事が理由と感じています。
アジに関しては、薄皮1枚で見事に釣れてくれる、圧巻のパフォーマンスを発揮してくれました。
問題はシーバスとのバトルですので、この検証は今春に持ち越しとなってしまいましたが、このティップがあれば、間違いなくバレにくいロッドというのは確定でしょう。
ティップの柔らかさを強調するとパワー不足かと思われてしまうかもしれませんが、全然そんなことは無く、ベリーからバットにかけてはサゴシやタチウオ程度では全くの役不足で、カーボンナノチューブ(CNT)搭載のバットにも早く仕事をさせてあげないとと痛感しております。
『テンリュウらしい曲がるロッド』の戦闘力を早く確かめたいものです。
シマノの3000Mのリールを主体に組み合わせています。
21年1月20日現在、メインリールは手放しているので、手元にあった20ツインパワー4000を組み合わせましたが、重心の位置は、リールフットから前方8センチ前後です。(当時メインリールであった15ツインパワーと同じ重量です)
タックルバランスに関しては、最早文句のつけようがありません。
※下記1月27日追記
21年1月27日、メインリールとして18ステラ3000MHGを調達しましたので、改めて重心を確認しました。
結果は、20ツインパワー4000と殆ど変わりません!
30gもステラの方が軽いのに、重心位置にして、僅かに5ミリ前方に移っただけです!
これはまさに、ロッド単体の重心のバランスが、非常に優れているという証明にもなっていると思います。

9.3ftで140gのロッドですので、大手メーカーの昨今のロッドに比べると、比較的重いロッドだと思います。
しかし、数値には表れない絶妙なバランスがそこにあるのか、3時間程度であればロッドを振り続けても一切の疲労感はありません。(当方、長くて3時間程しか釣り場におりません…。)
この疲れにくさに関しては、Lクラスのロッドにしてティップの収束が早い(楽に曲げられ反動が少ない)という、タックルバランスだけでは語れない要因が複数点あるのかもしれません。
何れにせよ、『持った時のバランス』、『キャスティングのフィーリングや反動の少なさ』、『リトリーブ中のティップの位置』、『釣行による疲労感』、全てにおいて完璧なバランスです。
これ以上の物を知らないので正直分かりませんが、これ以上求める必要はないのではないかと感じています。
ここまでたくさん持ち上げましたが、やはりLクラスであるという事が、メリットでもありデメリットでもあります。
やはりそこはLクラスです。
飛距離はそれほど望めませんし、そこに必要性を感じるならば、932LMLは選ぶべきではありません。
また、中弾性ロッドです。
高弾性ロッドの様なビンビンの感度はありません。
自重も別に『クラス最軽量』とかの軽さはありません。
カタログスペックで得られる情報では、魅力は殆ど感じられないのではないでしょうか。
悲しい話ですが、スペックで戦うロッドでは無いのです。
西陣織カーボンも、カッコいいですが感度云々とかは分かりません。(但し、感度は良過ぎでは無い程度で、普通に良いと思います。)
そもそも、飛距離とか感度とか軽量とかが最優先事項と考えるなら、スワットを選ぶべきではないのかもしれません。
そういう方は、素直にモアザンやエクスセンス等を選ぶべきと思います。
総評
現在、シーバスロッドは『高弾性で高感度で軽量』なロッドが主流となっています。
言ってしまえば、「釣れない時間にいかに多くの情報を得られるか、釣れない時間をいかに快適にさせるか」に尽きると思います。
20スワットは、『中弾性で中感度で少し重い』という、時代の流れに逆行したようなロッドです。
しかし、そこに至るまでのセッティングやバランスにとことん拘ったのは、手に取ればすぐにわかります。
そして、【テンリュウ=曲がり】と言われるように、魚を掛けてからが、本当の意味でスワットが存在する『意味』なのです。
同じように言うなら、『魚を掛けてから絶対にキャッチする。少ないヒットにガッカリなんてさせない』ロッドでしょう。
とは言え、計算され尽くした最高のタックルバランスから疲れる事なんてあり得ませんし、感度も飛距離も必要十分な性能は併せ持っています。
『魚を獲る』事に感して、高次元で纏まった素晴らしいロッドではないでしょうか。
最後に
もはや言うまでもありません。
好きです。
このロッドに最大限の仕事をさせてあげたい。
このロッドに見合うだけの腕前が欲しい。
このロッドを使って必ず上手になる。
そのように誓いたいし、そうならなければこのロッドに対して申し訳が立たないです。
必ず上手くなります。
このロッドが相応しい男になれるよう、これからも日々精進いたします。
最後に、何故私はこのロッドを選んだのか、です。
使っていたアーリーが相当ヘタってきてしまったことから、買い替えを検討し始めたのは19年の秋頃です。
ハタハタパターンを中心にした、汎用性の高いMクラスのサブタックルを持っていたので、思い切って汎用性を捨て、ナイトゲームを中心とした柔らかめのタックルにしようかなと考えていました。
結局は、頭の中でイメージするのはMLクラスが中心になるのですが、『高弾性よりも曲がり、中弾性』をこの時から既にかなり意識していたと思います。
『ルアー上限は25gくらいでも構わない、とにかくティップが柔らかくて10~18gのミノーが快適なロッドが欲しいな』と考えていました。
当初、アーリーを使っていたということもあり、ヤマガブランクスのバリスティックを購入しようとしていました。
アーリーを使った感触から、ヤマガの曲げて獲るコンセプトに大変魅力を感じていたので、真っ先に検討を始めました。
しかし、バリスティックは2016年モデルの為、少し設計が古く悩んでおりました。
シマノのエクスセンスジェノスやインフィニティの評判の良さも気になっていましたが、ディアルーナで相当な不満があった為、シマノのロッドに高額なお金を掛けるのは、本意ではありません。辞めようと決めていました。
という事で、自分の中ではダイワのロッドが最有力になっていましたが、パワーを前面に押したブランジーノも、感度を全面に押し出したエキスパートも、軽量・高弾性・高感度という事から、私が魅力を感じる『曲げて獲る』というイメージがどうしても湧きませんでした。
被害者の会があるほど中毒性の高いGクラフトのロッドも、同様の理由で除外しました。(しかしミッドウォーターSRを触った感触は抜群に良かった…)
そんな中、ヤマガ同様、日本の老舗ロッドメーカーから、新たにシーバスロッドが発売されるという情報をキャッチしました。
【テンリュウ 20スワット】
元々、ヤマガを調べるのと同時に天龍も調査していたのですが、旧スワットは相当に古いロッドだったので、選択肢から除外していたところ、ここに来てまさかの復活!!
元々『普通』や『王道』という言葉が嫌いな天邪鬼な私。
周りの誰も持っていないブランドで、最新技術が培われた新製品。
20年1月、殆ど一目惚れに近い形で『スワットを買おう!』と決めた瞬間でした。
当初は972MLを既定路線に考えていました。
20年6月、近所の釣具屋で見つけ、手に取って見たところ、あまりのパワフルな感覚に愕然としてしまいます。
『これが俺が首を長くして待ち望んだスワットだったのか…??いや、これじゃない。こんな強いロッドは要らない。。。』
失意の中、隣に並んでいた932LMLを手に取ってみた瞬間、私の心は一瞬にして奪われました。
『これだ!!この感触だ!!!このロッドがいい!!!!』
それから数ヶ月後の20年10月、私とスワットは遂に結ばれたのでした。
おしまい
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