シーバス専用。
PE SPECIAL。
フラッグシップ。
この三つが並ぶと、何だか強そうに見える。
でも、いったん止まろう。
26モアザンTW PEは、税込定価74,910円。
しかも、すぐ隣には26ジリオンTW150がいる。
海でも使えるジリオンに、さらにお金を足してモアザンを買う。
その理由、ちゃんと説明できますか?
「上位機だから」で済ませるには、なかなかいい値段だと思う。笑
ただし、先に整理しておきたい。
モアザンを、ジリオン150の豪華版として比べるのは違う。
調べると、出自から別だった。
今回は、公式仕様と販売店の実物確認情報を分けて、購入前に考えてみる。
実釣インプレではありません。
商品リンクは150XHL(左ハンドル)の一例です。
26モアザンTW PEの基本情報・基本スペック
メーカー公式の発売月表記は2026年10月。
| 項目 | 26モアザンTW PE SPECIAL |
| モデル | 150XH(右)/150XHL(左) |
| 自重 | 200g |
| ギア比/巻取り長さ | 8.5/96cm(ハンドル1回転) |
| 最大ドラグ力 | 5kg |
| PE巻糸量 | 1.5号250m/2号200m/3号130m |
| スプール径/幅 | 36mm/24mm |
| ハンドル長 | 110mm |
| ベアリング | 10ボール/1ローラー |
| メーカー希望本体価格 | 68,100円(税別)/74,910円(税込) |
右と左で基本スペックは同じ。
ここで見たいのは、数字の豪華さだけではない。
何を捨てて、何に寄せたリールなのか。
ジリオン150ベース?先に、出自をはっきりさせよう
ここを抜かして比較すると、話がズレる。
26モアザンは、スティーズA TW HLCがベースとされている。
2026年8月27日のイシグロ鳴海店の実物確認記事に、ダイワ営業担当へ確認済みの情報として記載されている。
メーカー公式の製品ページにはベース機種の明記は見当たらないので、販売店がメーカー担当者に確認した情報として扱いたい。
同店は両機の実物を並べ、ジリオンの方がボディが大きいとも報告している。
スプールの入れ替えも実際に試して、取り付け互換がないことを確認している。
同じ150番、同じ36mm径だから、中身まで同じ?
それは早い。笑
ジリオンにPE専用スプールを入れたら、そのままモアザンになるという話ではない。
比較するのは、同じ釣りで候補に上がる二台だから。
同じ土台の下位機と上位機として、差額だけを見るのは違う。
PE SPECIALは、ただの「PEも使えます」ではない
一番引っ掛かったのは、ここ。
純正PE専用スプールでは、ナイロン・フロロラインは使用不可。
公式ページに、はっきり書いてある。
糸種を後から自由に変えるつもりなら、この時点で買い物の前提が崩れる。
これは本線を巻くスプールの話
もちろん、フロロのリーダーまで使えないという意味ではない。
PEにリーダーを結んで使う話と、スプールへフロロを本線として巻く話は別。
ただし、結束部をどこまで巻き込むかも適当に済ませない方がいい。
メーカーはトラブル回避のため、結束部をロッドのガイドより外に出すことを勧めている。
用途を狭めたことに、お金を払えるか
モアザンは、PEに合わせたスプール形状とブレーキ設定を採用している。
だから「高いのに使える糸が少ない」とだけ言うのも、少し違う。
何でもこなす方向ではなく、使い方を絞っている。
そこは、むしろ専用機らしい。
問題は、買う側まで使い方を絞れているかだ。
そのうちバスでも使いたい。
フロロ直結も試したい。
でも最上位が欲しい。
その欲張りセットで買うと、リールより先に自分の買う理由が破綻する。笑
26ジリオンTW150との差は、税込定価で10,670円
ギア比の近い150XH/150XHL同士で比べると、こうなる。
| 比較項目 | 26モアザン150XH/XHL | 26ジリオン150XH/XHL |
| 税込定価 | 74,910円 | 64,240円 |
| 自重 | 200g | 215g |
| ギア比/巻取り長さ | 8.5/96cm | 8.4/94cm |
| 最大ドラグ力 | 5kg | 5.5kg |
| PE2号巻糸量 | 200m | 230m |
| ハンドル長 | 110mm | 95mm |
| ベアリング | 10/1 | 8/1 |
| スプール径/幅 | 36mm/24mm | 36mm/24mm |
差額は10,670円。
これはメーカー希望価格同士の比較で、店頭や通販での実売差ではありません。
店の値引きやポイント次第で、支払う差額は変わる。
でも、購入前の整理としては十分に面白い。
飛距離は、名前だけでは勝敗がつかない
ジリオン側もMAG-Z BOOSTを採用している。
価格を抑えて選べる、別設計の遠投リールがあるわけだ。
モアザンという名前を付ければ、自動でルアーが遠くへ飛ぶわけではない。
PE専用の設定が自分のキャストに合うかどうか。
そこを抜かして、最上位だから飛ぶと決めつけるのは雑だと思う。
この二台の実際の飛距離差は、ここでは断言しない。
同じロッド、同じ糸、同じルアーで投げ比べた結果は持っていないからだ。
なぜ15g軽い?ジリオンから15g削った話ではない
モアザン200g、ジリオン215g。
差は15g。
しかもモアザンのハンドルは、ジリオンより15mm長い。
長くしたのに軽いって、どこを削ったんだ?
気になるのは、むしろそこだと思う。
ベースとされるスティーズA TW HLCは、そもそも190g
| 機種 | 標準自重 | ハンドル長 | ベアリング(ボール/ローラー) |
| スティーズA TW HLC | 190g | 90mm | 8/1 |
| 26モアザンTW PE | 200g | 110mm | 10/1 |
| 26ジリオンTW150 | 215g | 95mm | 8/1 |
この三台の数字は、メーカー公式仕様で確認できる。
スティーズA TW HLCから見ると、モアザンは15g軽量化どころか、10g増えている。
190gの設計を出発点に、110mmハンドルやPE向けの仕様へ変更した200g。
そう捉えると、長いハンドルなのにジリオンより軽いことは、いきなり魔法ではなくなる。
ただし、ベースという情報は、内部部品が全部同一という意味ではない。
この10gをハンドルだけの増加分として計算するのも、それはそれで雑だ。
コンパクトな設計は手掛かり、15gの内訳は未公表
軽さの理由を考えるうえで、手掛かりになるのはボディと内部寸法の違いだ。
イシグロの実物確認では、モアザン側の本体シャフトは、ジリオン側より短く小型だったという。
ボディの大きさも違うので、土台から総重量に差が出ている可能性はある。
ここは、確認された寸法の違いからの考察。
フレームで何g、シャフトで何gという重量内訳までは分からない。
モアザンはPE専用のスプール形状だが、両機ともスプール素材はG1ジュラルミン。
「高級素材になったから15g軽い」で片付ける説明は通らない。
スプール形状の違いが重量に影響する可能性はあっても、公式ページに単体重量は掲載されていない。
分かるのは、別の設計と装備を組み合わせた完成品同士で、15g差があること。
「ここを削って15g」という答えを、カタログの数字だけから作るのはやめておこう。
110mmハンドルだけで、重さの帳尻は合わせられない
材質も厚みも幅も同じなら、長いアルミハンドルは重量が増える方向になる。
だから「ハンドルは重くなっているはず」という疑問は、筋が通っている。
でも、二台のハンドル一式は、長さ以外も同じではない。
モアザンはパワーラウンドEVAノブ、ジリオンはIシェイプパワーラージノブ。
スタードラグも、モアザンはアルミ、ジリオンはZAION。
さらにモアザンはウォームシャフトに2個のボールベアリングが入り、総数が10個になっている。
ピニオン支持の片側にはマグシールドボールベアリングも使われている。
ジリオンはピニオン部がCRBBで、ボールベアリング総数は8個。
軽いのに装備まで減らした、という単純な話でもない。
ハンドル一式や個々の部品を量らなければ、どこで増えてどこで減ったかは確定できない。
俺が気にしたいのは、その200gで何を優先したリールなのかだ。
15g軽いことと、軽いルアーが飛ぶことは別
リール全体の15gと、キャストで回るスプールの重さは別の話。
回転の立ち上がりには、スプールの慣性や巻いた糸の量、ブレーキ設定が関わる。
だから200gという数字だけで、ジリオンより軽量ルアーに強いとは言えない。
一日中投げるのか。
短時間だけ使うのか。
何を、どれくらいの抵抗で巻くのか。
組み合わせるロッドは何なのか。
軽さだけで選んで、手持ちのロッドとのバランスは後回し。
その買い方は、俺なら一度落ち着きたい。
15g軽いことと、そのタックルが気持ちよく使えることは、同じ話ではない。
シーバス専用だから、シーバスルアー全部に得意とは限らない
ここも、名前に引っ張られやすい。
シーバス用だから、軽いルアーから重いルアーまで何でも快適。
そう受け取るのは早い。
MAG-Z BOOSTについて、メーカー自身が軽量級ルアーには不向きと説明している。
「シーバスを釣る」と「何を投げる」は、別々に考えた方がいい。
小さいルアーを主役にするなら、一度待とう
軽いルアーを近距離へ細かく入れる釣りが中心なのか。
ある程度の重さがあるルアーを、広い場所へ投げる釣りが中心なのか。
同じシーバスでも、求めるリールは変わる。
港で小さいベイトを意識する釣りまで、名前だけで丸ごと任せるのは違うと思う。
俺なら、まず普段のルアー箱を開ける。
そして、一番よく投げるルアーを見る。
カタログを見る順番は、その後でいい。
大きい魚を釣りたいだけでは、まだ理由が足りない
ランカーを狙いたい。
だからフラッグシップ。
気持ちは分かる。
でも、その魚に届くまでに、何をどう投げるのでしょう?
釣りたい魚の大きさだけで、キャストの仕方まで決まるわけではない。
自分の釣りを説明できる人には、専用機は面白い。
説明できない人には、専用という言葉だけがやたらと魅力的に見える。
この差は大きい。
買う理由が立つ人、ジリオンを先に考えたい人
モアザンを選ぶ理由が立つ人
本線はPEで固定する。
中・重量級ルアーのキャストを軸にする。
XHの巻取り速度を、自分の釣りに必要としている。
長めのハンドルを含めた仕様に納得している。
そのうえで、PE専用の設計に差額を払いたい。
ここまで揃うなら、モアザンを検討する理由はあると思う。
趣味の道具だから、最後は好きで選ぶのもいい。
ただ、好きで買うことと、性能差を証明したことは分けたい。
「モアザンが好きだから買う」は、十分に正直な理由だ。
変に万能最強という理屈を後付けする必要はない。笑
ジリオンを先に考えたい人
糸の種類を変えて使いたい。
ギア比も、自分の巻く釣りに合わせて選びたい。
PE専用の違いに、まだ具体的な必要性を感じていない。
そういう人は、先にジリオンを見た方が判断しやすい。
ジリオン側には、6.3・7.3・8.4のギア比がある。
モアザンは8.5の左右モデル。
上の価格へ行けば、自分に合うギア比まで付いてくるわけではない。
なお、軽量級ルアーを主役にするなら、ジリオンへ替えるだけで解決とも限らない。
両方のブレーキ特性を見て、別の方向を考える余地もある。
まとめ|「専用」の二文字だけで、財布を開くな
26モアザンTW PEは、買う理由をはっきりさせてから選びたいリールだと思う。
スティーズA TW HLCをベースとする、という販売店のメーカー確認情報。
ジリオンの単純な上位機とは、まず分けて考えたい。
そのうえで、PEに寄せた設計。
200gの自重。
110mmハンドル。
そして、ジリオンより約1万円高い税込定価。
これを全部「最上位だから」で飲み込むなら、いったん待とう。
自分が投げるルアーと、使う糸と、欲しい巻取り速度を先に決める。
その結果モアザンへ行き着くなら、話は分かる。
専用機を買うなら、買う側も何をするか決めてこい。
何にでも使えるつもりで買って、後から「これ出来ないの?」は、さすがにリールがかわいそうだ。笑
以下の商品カードは左ハンドル150XHLです。
確認資料:ダイワ公式・モアザンTW PE/ダイワ公式・ジリオンTW150/ダイワ公式・スティーズA TW HLC(2026年10月13日確認)。
出自と実物比較の確認資料:イシグロ鳴海店の26モアザン/26ジリオン比較記事(2026年8月27日掲載、2026年10月13日確認)。


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