ブレードジグって、後ろのブレードが回る物だと思っていた。
ところがタックルハウスの新作「P-BOY JIGキャスティング THEブレードカスタム」は、ジグ本体を高速回転させる。
え、そっちが回るの?
正直、最初に浮かんだのは釣果より糸ヨレだった。
しかも115mm、50g。小粒なブレードジグを想像していると、見た目も重量もかなり違う。
なぜわざわざ回すのか。糸ヨレは本当に大丈夫なのか。メーカーの説明を読み込んで、買う理由と引っかかる点を整理してみる。
P-BOYブレードの基本スペック
| 項目 | 公式情報 |
|---|---|
| 正式名称 | P-BOY JIGキャスティング THEブレードカスタム |
| 型番 | PJC50B |
| ジグ本体の全長 | 115mm |
| 重量 | 50g |
| メーカー掲載価格 | 1,850円 |
| 生産国 | 日本 |
| 標準フック | オーナー・プラッガーシングル2/0 |
2026年10月19日にメーカーが詳しい製品解説を公開し、同月下旬には初回出荷後のフィールドレポートも掲載している。
なお、115mmはジグ部分の長さ。フックや小型ブレードまで含めた全長と取り違えないようにしたい。
回転を「欠点」ではなく「本体」にした
普通は、ジグ本体をまっすぐ泳がせ、後ろのブレードを回す。
こいつは逆だ。
細長いジグそのものを大きなブレードのように回して、ボディの明滅と振動で魚に見せる設計。後ろの小型ブレードは、回転を助けつつバイトの目印にもなるという。
いや、発想がだいぶ変だ。もちろん褒めている。
メーカーは日本古来の疑似餌「弓角」にも着想を得たと説明している。ただし、弓角と同じ動きだと言っているわけではない。
ジグがたまたまバランスを崩して回るのと、最初から終始回るように作るのは別の話だ。メーカーによれば、回り続けることでむしろ軌道の安定を狙っている。ここがこの製品の面白さだと思う。
低回転と高回転、二つのスイベルが肝
後ろの小型ブレードとフック側には、あえて低回転性のクレンスイベルを使う。
ブレードの回る力をジグ本体へ伝えるためだ。ここをよく回るスイベルに替えると、ブレードだけが回って狙いの動きから外れやすい。
一方、ラインをつなぐ前側には高回転性のボールベアリングスイベルを標準装備する。
後ろは回転を伝え、前は回転を逃がす。
この二つを逆の性格にしたところが、単にジグへブレードを後付けした商品との大きな違いだ。
それでも糸ヨレがゼロとは言っていない
ここは甘く読まない方がいい。
メーカー自身、前側のスイベルでもジグの回転を100%吸収するわけではないと明記している。実用上は問題の少ない水準と感じている、というのがメーカーの見解だ。
つまり「ボールベアリングスイベル付きだから絶対にヨレない」とは書けない。
塩や砂でスイベルが固着すれば、設計どおりに逃がせない可能性もある。メーカーもサビ・固着への注意を呼びかけている。
釣行後の真水洗いと回転の点検まで含めて、このルアーの運用だろう。新品時の動きだけを見て糸ヨレ対策を評価するのは早い。
115mm・50gを選ぶ理由は何か
サワラ・サゴシ用ブレードジグは、小さいシルエットで勝負する選択肢も多い。そこへ115mm。
ベイトが小さい日に、そんな長い物を投げて大丈夫なのか。疑問は当然だ。
メーカーは「長いが細身」である点を重視し、公式フィールドレポートでは極小ベイトの状況でも使えたと報告している。ただし、これはメーカー側の釣行報告で、あらゆるフィールドで小型ジグより釣れる証明ではない。
長さの利点として説明されているのは、フォール中のフック絡みを抑えることと、サワラの歯からライン接続部を離すこと。リア重心による素早いフォールも挙げている。
一方で、強い力を受けて細長いボディが曲がる場合があることもメーカーは注意している。
長さには理由がある。でも、万能な長さではない。小型ベイトに合わせる釣りと、トラブルを減らして強く探る釣りのどちらを優先するかだ。
ショアで投げるなら、50gという条件を先に見る
メーカーはボートだけでなくショアでの使用も想定している。
とはいえ50gは、手持ちのシーバスロッドなら何でも気軽に投げられる重さではない。ロッドの適合ルアー重量、フックを含む実際のセット、投げ方を先に確認したい。
特にサーフで「ブレードジグを一個試したい」程度なら、いきなり50gを選ぶ理由は薄い。
サワラ・サゴシを明確に狙い、重めのジグを扱えるタックルで、早巻きや深いレンジまで探りたい人には筋が通る。
メーカー推奨もサワラ・サゴシにはボトムからの早巻き。フォールや巻き速度を変えた応用にも触れているが、そこは自分の釣り場に当てはめて考えたい。
通常のPJC50と何が違う?
タックルハウスの通常版「P-Boy Jig キャスティング」には、同じ115mm・50gのPJC50があり、公式掲載価格は1,500円。
ブレードカスタムのPJC50Bは1,850円なので、掲載価格の差は350円だ。
ただし、同じ長さ・重量だから中身が完全に同じとは断定できない。通常版は通常のキャスティングジグとして説明され、ブレードカスタムは本体を回すために前後のスイベルや小型ブレードまで組み合わせている。
350円差で「標準ジグにブレードが付いただけ」と片付けたら、この変な設計を見落とす。
逆に、本体を回したくないなら通常版を選ぶ方が自然だ。
結局、誰が買うべき?
ボディそのものを回す狙いに面白さを感じ、50gを扱えるタックルでサワラ・サゴシを追う人なら、試す理由は十分ある。
特にブレードジグのフック絡みやリーダーカットが気になっている人には、形状の意図がはっきりしている。
一方、糸ヨレを絶対に避けたい人、スイベルの点検が面倒な人、軽いジグしか投げられない人には勧めにくい。
それと、メーカーの実釣報告を筆者自身の釣果として語るつもりはない。現時点では公式仕様からの考察だ。
まとめ|回す理由はある。買う理由も自分で決めたい
「ジグが回るのは失敗」と考えていたところへ、「だったら最初から回そう」と来た。
P-BOYブレードの面白さは、その逆転だけではない。後ろで回転を伝え、前で逃がす構造まで作り込んでいる。
ただし、糸ヨレを100%消せるわけではないし、115mm・50gも釣り場とタックルを選ぶ。
俺ならまず、自分のロッドで50gを扱えるか、サワラ・サゴシを本当に狙うのか、スイベルの手入れまでやるのかを考える。
その三つに頷けるなら、これはかなり楽しい変化球だ。
変なルアーだなぁ。こういうの、嫌いじゃない。笑


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