※現時点で27イグジスト、27ステラともに正式発表前です。本記事では次期モデルを便宜上「27イグジスト」「27ステラ」と表記しています。
まだ27イグジストは発表されていません。
価格も分かりません。
日本製なのか、中国製になるのかも分かりません。
それでも、最近どうしても気になっていることがあります。
次のイグジスト、一体いくらで売るつもりなんだろう?
26セルテートHDの記事を書いてから、ずっと引っ掛かっていました。
そして現在のリールの価格を改めて並べてみたら、別の疑問まで出てきました。
これは単なる価格の問題ではなく、
メーカーとしての「ものづくり力」まで見えてしまう話なんじゃないか。
今回はそんな話です。
まずは今回の価格考察の起点、26セルテートHD。以下の商品リンクは発売済みモデルのものです。
現在の3機種を並べると、ちょっと面白い
現在のメーカー希望本体価格は、おおよそこんな位置関係です。
中国製・26セルテートHD 8万円台
日本製・22ステラ 9万円台
日本製・22イグジスト 10万円台
※以下の価格比較・予測は税抜のメーカー希望本体価格を基準にしています。実売価格とは異なります。4000番クラスの例では、26セルテートHD LT4000-CXHが83,000円、22ステラ4000XGが95,000円、22イグジストLT4000-XHが107,000円です。番手によって価格は異なり、セルテートHDには7万円台、イグジストには11万円のモデルもあります。
こうして並べると、私はどうしても引っ掛かります。
価格を抑えるために中国生産へ移したセルテートHDと、日本で作られているステラの価格差がかなり小さい。
そしてダイワの日本製最高峰、イグジストはさらにその上です。
もちろん、この数字だけでメーカーの優劣を断定することはできません。
でも経理屋として価格を並べると、
「ん?」
とはなるんですよ。
これは「技術力」ではなく「ものづくり力」の話
最初は私も、
「これってメーカーの技術力の差なのか?」
と思いました。
でも、それは少し違う。
ダイワに製品技術がないなんて、私は全く思っていません。
イグジストを見れば、軽量化、低慣性化、モノコックボディ、AIRDRIVE DESIGNなど、独自の高度な技術が詰め込まれています。
私が今回言いたい「ものづくり力」は、もっと広い意味です。
優れた製品を設計する。
高品質な部品を安定して作る。
不良を減らす。
歩留まりを上げる。
工程を効率化する。
品質を維持しながら原価を下げる。
そして、それを安定して量産する。
そこまで全部含めた「製品を市場へ出すまでの総合力」です。
そう考えると、
「シマノは日本製フラグシップを9万円台で出せている。一方、ダイワはなぜこの価格構造になるのか?」
という疑問が出てきます。
ここが今回、一番気になっているところです。
26セルテートHDで感じた違和感
以前の記事でも詳しく書きました。
私が26セルテートHDで引っ掛かったのは、
「価格を抑えるために中国生産にした」
という趣旨の説明です。私が見た開発担当者の動画での発言を踏まえています。
中国生産そのものを否定しているわけではありません。
今の中国工場には非常に高い生産技術を持つところもありますし、「中国製=低品質」なんて単純な話ではない。
私が疑問なのは、あくまで価格です。
価格を抑えるために中国で作った。
しかし出来上がったセルテートHDは8万円台。
その少し上には日本製のステラがいる。
だとすれば、
中国生産によって得られたコストメリットは、最終価格のどこに現れているんだろう?
私はそこが腑に落ちていません。
そして、このセルテートHDの値付けがあるからこそ、27イグジストの価格設定が非常に難しくなったように見えます。
先に言っておく。イグジストとステラは直接競合ではない
ここで必ず言われそうなので、先に書いておきます。
「そもそもイグジストとステラは性格が違うだろ」
はい。
そんなことは知っています。
イグジストは軽量・低慣性・レスポンス方向へ振ったダイワの最高峰。
シマノで設計思想が近いリールを挙げるなら、むしろヴァンキッシュです。
一方のステラはシマノのフラグシップ。
同じ方向性のリールではありません。
だから、
イグジストとステラを性能面で直接対決させたいわけではありません。
今回比較している理由は単純です。
ダイワのフラグシップと、シマノのフラグシップだから。
10万円前後のリールを買う人が、
「ダイワの最高峰はいくら?」
「シマノの最高峰はいくら?」
と見るのは自然でしょう。
「イグジストの比較対象はヴァンキッシュだろ」
はい。分かっています。
その入口だけを突いて、
「こいつ何も分かってない」
で今回の論点を終わらせるのは、ちょっと野暮です。
今回見たいのは、
両メーカーのフラグシップを成立させている価格と、その背景にあるものづくり力。
そこです。
27ステラは1〜2万円程度の値上げではないかと予想している
27ステラも、もちろん正式発表前です。
価格は分かりません。
ただ、近年のシマノ製リールの価格動向や製造動向を見る限り、私は27ステラも値上げすると考えています。
原材料費、人件費、物流費、為替。
現在の環境なら価格据え置きの方が難しいでしょう。
ただし、
値上げ幅は1〜2万円程度ではないか。
私はその辺りを予想しています。
もちろん完全な予想なので、外れる可能性もあります。
ただ、いきなり14万円、15万円という世界へ飛んでいくとは今のところ考えていません。
つまり27ステラも、おそらく10万円台。
この前提に立つと、27イグジストの値付けはかなり難しい。
パターン① 27イグジストを中国製・10万円前後にする
まず、
27イグジストも中国生産へ移し、10万円前後に抑える。
ダイワ内部では、
セルテートHDが8万円台。
イグジストが10万円台。
価格階層としては成立します。
ただし、27ステラが日本製を維持して10万円台前半だった場合、
中国製のダイワ最高峰と、日本製のシマノ最高峰がほぼ同価格
という構図になります。
製造国だけで製品価値が決まるわけではありません。
それでも、
「シマノは日本で作ってこの価格。ダイワは中国で作ってこの価格なのか?」
という疑問は当然出てくるでしょう。
そしてそのとき、
製品技術ではなく、生産技術や原価競争力まで含めた“ものづくり力”の差ではないのか?
という比較まで始まる。
これはかなり痛いと思います。
比較の基準になる現行22ステラの購入先はこちら。27ステラの話は、次期ステラを考察した記事でも書いています。
パターン② 27イグジストを日本製・12万円前後にする
次に、
日本製を維持し、12万円前後。
現行イグジストの価格から考えれば、それほど突拍子もない設定ではありません。
ただ、ここでセルテートHDの存在が効いてきます。
日本製最高峰のイグジストが12万円。
中国製で、その一段下のセルテートHDが8万円台。
もちろん4万円程度の差がありますし、部品も素材も原価構造も違います。
それでも、
「日本製最高峰を12万円で成立させられるなら、セルテートHDを中国へ移したことで得られたコストメリットはどれほどだったのか?」
という疑問は残ります。
特に、
「日本で作ればもっと高くなる」
という説明をしていたのであれば、なおさらです。
販売価格と製造原価が同じではないことは承知しています。
それでも消費者に見えるのは、最終的な販売価格です。
日本製最高峰が12万円で出てきたら、
「日本でも意外とその価格帯で作れるんじゃん」
と感じる人はいるでしょう。
これもまた、セルテートHDの中国生産を振り返らせる価格になります。
パターン③ 27イグジストを日本製・14万円前後まで上げる
では、日本製イグジストを14万円程度まで引き上げる。
これはダイワ内部の商品階層としては、一番分かりやすい。
中国製セルテートHDが8万円台。
日本製イグジストが14万円。
これなら、
「イグジストは別格の日本製最高峰」
という説明ができます。
ただし、今度はシマノが目立ちます。
27ステラが日本製10万円台前半だった場合、
日本製イグジスト14万円。
日本製ステラ10万円台。
メーカーのフラグシップ同士で3万円、4万円という差が出る。
すると、
「この差は本当に製品価値だけの差なのか?」
という新しい疑問が生まれます。
設計思想が違うことは承知しています。
それでも同じ日本生産の最高峰同士で大きな価格差が付けば、
生産効率。
部品調達。
歩留まり。
原価低減。
量産技術。
そうした部分まで含めた、
“ものづくり力”の差を考えたくなる。
これもまた簡単ではありません。
つまり、どこに置いても何かが引っ掛かる
整理すると、
中国製10万円前後なら、日本製27ステラとの価格比較が厳しい。
日本製12万円前後なら、セルテートHDを中国生産にした意味が改めて問われる。
日本製14万円前後なら、日本製27ステラとの大きな価格差が目立つ。
もちろん実際の価格設定は、この3つ以外にも考えられます。
27ステラの予想だって外れるかもしれません。
それでも私は、
26セルテートHDを8万円台に置いたことで、27イグジストの値付け自由度はかなり狭くなった
ように見えています。
これが今回言いたかった、
「価格の袋小路」
です。
問われるのはセルテートHD単体ではなく、ダイワ全体の価格設計
最初にセルテートHDを見たとき、私の違和感は、
「中国製なのに高くない?」
という単純なものでした。
しかし、27イグジストまで視野に入れると話は変わります。
セルテートHDの8万円台という価格は、その製品単体だけではなく、
上位モデルの値付けと、競合メーカーとの価格比較にまで影響する基準
になってしまった。
経理担当者として見ると、ここがかなり気になります。
仮にセルテートHD単体で十分な利益が出ていたとしても、
上位モデルの価格設定を難しくし、
その結果として競合メーカーとの「ものづくり力」まで比較されるようになれば、
商品ライン全体では別の問題が生まれます。
私は、
セルテートHDという製品そのものではなく、その“値付け”がかなり重たい一手だったのではないか
と思っています。
もちろん、高い=ものづくり力が低いわけではない
ここは誤解されたくありません。
安く作れるメーカーほど優秀。
高いメーカーほどダメ。
そんな単純な話ではありません。
使用する部材。
加工工程。
品質基準。
販売数量。
利益率。
ブランド戦略。
販売価格には多くの要素が含まれます。
だから、
イグジストが高い=ダイワのものづくり力が低い
と断定するつもりはありません。
ただし、
高品質な製品を、品質を維持しながら効率よく安定して量産する能力も「ものづくり力」の一つ
だと私は考えています。
だから価格は、完全に無関係ではない。
現在の価格構造を見ると、
「なぜこうなるんだろう?」
と考えたくなる余地がある。
それが今回の記事を書いた理由です。
今買えるイグジストは、現行22イグジスト。次期モデルの予測と、目の前の商品選びは分けて考えたいところです。
27イグジストは、ダイワの「答え合わせ」になる
27イグジストが発表されたとき、私が最初に確認したいのは、
価格。
そして、
製造国。
この2つです。
中国製で10万円前後なのか。
日本製で12万円なのか。
日本製で14万円なのか。
それとも、全く違う答えを出してくるのか。
私はかなり楽しみにしています。
なぜなら27イグジストの価格と製造国によっては、
セルテートHDの価格設定だけではなく、
ダイワとシマノ、それぞれの“ものづくり力”まで見えてくる可能性がある
と思っているからです。
今の私には、
26セルテートHDの8万円台という価格設定が、27イグジストの値付けを難しくし、同時にダイワ自身をシマノのものづくり力と比較されやすい場所へ置いてしまった
ように見えています。
27イグジストが発表されたら、この予想記事で答え合わせをします。
私の予想を全部ひっくり返して、
「なるほど、そう来たか!」
と思わせる答えを、ダイワには期待しています。
価格の確認先・関連記事
価格の確認先:DAIWA公式・セルテートHD/シマノ公式・ステラ/DAIWA公式・イグジスト。DAIWAはグローブライド株式会社の釣具ブランドです。
製造国の補足:22イグジストはDAIWA公式海外ページのMade in Japan表記、22ステラ4000XGは堺市の返礼品掲載情報でも日本製を確認できます。26セルテートHDの製造国と開発時の説明は、私が見た開発担当者の動画に基づきます。メーカーの内部原価・利益率を確認した記事ではありません。




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