釣りをしていると、たまに理解が追いつかない商品が出てくる。
今回もそうだ。
魚を洗うための「水」が、1Lで1,650円。
……水ですよ?
1リットルですよ?
しかも飲む水ではない。
釣った魚を洗うための水だ。
商品名は、
「PROTONA CUSTOM For Fisher 1L」
2026年10月末から、イチバンエイトグループ全8店舗で順次販売されるという。(出典:PR TIMES)
いやいや。
水に1,650円は高いだろ。
最初に見た時、俺もそう思った。
でも詳しく調べてみたら、
これ、ただの「高い水」で片付けるには少し面白すぎる。
久しぶりに出てきた。
こういうのが好きなんだ。
ナニコレ。
まず魚をきちんと冷やせる道具が必要。クーラーボックスもその一つだ。
PROTONAは何をする水なのか?
PROTONAは、魚介類の処理を目的に作られた調理用水だ。
今回の「For Fisher」は、その中でも釣り人が使いやすいよう1Lパウチにしたもの。
価格は税込1,650円。
飲料ではなく、魚介類調理用水という扱いになる。(出典:PR TIMES)
使い方が面白い。
まず釣行前に、パウチごと凍らせる。
それをクーラーボックスに入れて保冷剤として使う。
魚が釣れたら、海水と一緒に冷海水を作って魚をしっかり冷やす。
そして釣り終了後。
冷海水を捨てて、PROTONAで魚の表面を洗う。
さらに魚全体に行き渡らせ、その状態で再び冷やして持ち帰る。
メーカーが案内している手順も、ちゃんと「まず冷海水で冷やす」ところから始まっている。(出典:PR TIMES)
ここ、大事だと思う。
PROTONAを掛ければ、雑に魚を扱っても鮮度が保てる。
そんな魔法の水ではない。
締める。
血を抜く。
素早く冷やす。
そういった基本的な処理をした上で、
最後の品質維持に使う水。
俺はそう理解した。
ただの水と何が違う?
じゃあ、
水道水と何が違うんだ?
という話になる。
メーカーが説明しているポイントは、pH設計と微量の遊離炭酸だ。
PROTONAに含まれる遊離炭酸によって弱酸性の環境を保ち、微生物の増殖を抑える。
また炭酸イオンが魚の血液に含まれる鉄イオンと結びつくことで、酸化やヘム鉄由来の臭いを抑える、という仕組みを説明している。(出典:PROTONA公式)
さらにPROTONA公式では、水質検査、栄養成分検査、魚を使用した細菌検査、特許証や製造許可証などを公開している。(出典:公式検査資料)
少なくとも、
「よく分からない水に、それっぽい名前を付けて1,650円で売ってみました」
という商品ではない。
ここは俺も調べて印象が変わった。
ただし。
魚種。
締め方。
温度。
持ち帰る時間。
使用量。
これら全部で結果は変わるはずだ。
公開されている試験結果があるからといって、
どんな魚でも、どんな環境でも、PROTONAを使えば劇的に違う
とまでは俺は言えない。
実際、今回発表された商品についても、メーカー自身が使用環境などによって感じ方が異なるとしている。(出典:PR TIMES)
だからこそ、
これは実際に比較してみたい。
でも1Lで1,650円だぞ?
結局ここなんですよ。
1,650円。
ホームセンターで水を買えば、2Lで100円前後なんて普通にある。
海なら目の前に何億リットルあるのか分からない。
それなのに、
魚を洗うために1L、1,650円。
すごい世界になってきた。
ただ、釣り人の金銭感覚って面白い。
ルアー1個2,000円。
PEライン4,000円。
フック1パック1,000円。
リール5万円。
ロッド5万円。
そこまでは普通に払う。
なのに、
魚を美味しく持ち帰るための水1,650円
と言われると、
突然、
「高っ!」
となる。
……いや。
俺もなるけど。
1,650円が安く感じる魚もある
でも例えば。
80cmの真鯛。
ブリ。
ヒラマサ。
大型のアオリイカ。
高級魚を何匹も持って帰るオフショア釣行。
こういう時ならどうだろう。
船代に1万円以上払って、
タックルも何十万円。
朝から一日釣りをして、
ようやく良い魚を持ち帰る。
そこで最後の1,650円によって、
臭い。
身質。
持ち帰った後の状態。
そこに少しでも差が出るなら、
急に1,650円が安く見えてくる。
逆に。
近所の漁港へ行って、
15cmのアジを5匹釣りました。
「今日PROTONA使います。」
と言われたら、
いやいや。
それは氷ちゃんと入れとけば良くない?
とも思う。
要するにこの商品、
万人向けではない気がする。
一番刺さりそうなのは「食べるところまでが釣り」の人
PROTONAが気になるのは、
釣果の数より、持ち帰った魚の質を重視する人だと思う。
釣った魚を刺身で食べたい。
寝かせたい。
人に配りたい。
料理まで含めて釣りだと思っている。
オフショアで良型魚を持ち帰る。
自宅まで数時間かかる。
こういう釣り人には面白い。
さらにメーカーは、魚だけでなくクーラーボックスや調理後のキッチンに残る臭いについても、使用者から軽減を感じたという声があるとしている。
ただし、これはメーカー発表内でも個人の感想として扱われている。(出典:PR TIMES)
「帰宅後、嫁に魚くさいと言われる問題」
まで解決してくれるなら、
個人的には鮮度よりそっちの方が気になる人も多そうだ。
冷海水の代わりではない
ここは勘違いしない方がいい。
PROTONAがあるから、
氷がいらない。
海水氷締めがいらない。
血抜きしなくてもいい。
という話ではない。
メーカー自身が案内する使い方でも、
釣った魚はまず冷海水でしっかり冷却する。(出典:PR TIMES)
つまり、
魚をちゃんと冷やすことが最優先。
保冷剤も冷却を助ける道具の一つ。強力なタイプを使うなら、魚に直接当てて部分的に凍らせないよう注意したい。
PROTONAはその後。
俺なら、
「冷海水 VS PROTONA」
とは考えない。
冷海水+PROTONAに1,650円追加する価値があるのか?
ここを見る。
この比較じゃないと意味がないと思う。
本当に試すなら同じ魚で比較したい
これ、単に一本使って、
「美味しかったです!」
では正直分からない。
俺なら同じ日に釣った同サイズの魚を2匹用意する。
締め方。
血抜き。
冷却時間。
保存時間。
全部できるだけ揃える。
片方はいつもの冷海水処理。
もう片方は最後にPROTONA処理。
翌日。
2日後。
可能なら3日後。
臭い。
身の色。
ドリップ。
食感。
味。
ここまで比べたい。
1L1,650円の水に、本当に違いがあるのか。
それなら面白い。
むしろPROTONA側としても、こういう比較をされて差が出るなら相当強い商品になるはずだ。
ちなみにPROTONA自体は突然出てきたわけではない
今回の「PROTONA CUSTOM For Fisher 1L」は新しいが、PROTONA自体が2026年10月に突然誕生したわけではない。
釣り人向けへの展開は2025年にも発表されている。(出典:2025年の発表)
今回面白いのは、
魚屋や水産・料理の世界で使われてきた考え方を、1Lパウチにして釣具店へ持ってきたこと。
これだと思う。
魚を釣る道具ではない。
魚を持ち帰るための道具でもない。
正確には、
釣った後の魚を「食材」として扱うための水。
ここに1,650円の商品が成立する時代になった。
PROTONAを考える前に、まずは冷却の土台を整える。そこが出発点だと思う。
俺はどう見る?
最初に見た時は、
正直、
「水1Lで1,650円!?」
だった。
今も安いとは思わない。
いや。
普通に高い。
でも調べてみたら、
「ただ高い水」という印象ではなくなった。
特に、
いい魚を釣った時。
持ち帰り時間が長い時。
刺身や熟成までこだわる時。
こういう条件なら、一度試してみたい。
逆に普段のライトな釣りなら、
俺ならまず締め方と冷却をちゃんとする。
そこに満足して、
さらにもう一段上を狙いたい人が使う商品。
今のところは、そんな印象だ。
それにしても。
ロッドでもない。
リールでもない。
ルアーでもない。
ラインでもない。
ついに釣り人は、
「水」に1,650円払う時代になった。
こういう商品、嫌いじゃない。
むしろ大好物だ。
あなたなら、
釣った魚を洗う1Lの水に、1,650円払いますか?


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